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忙しい方へ|この記事の結論
この記事でわかること
12時はランチ。
14時から仕込み。
夕方にはアルバイトが出勤してきて、18時からまたピーク。
在庫確認、発注、シフト調整、クレーム対応まで終わった夜にスマートフォンを見ると、求人媒体から「新しい応募があります」。
飲食店の店長に採用を任せると、こうなりがちです。
採用担当専任の社員がいる店舗は多くありません。
だから「応募への返信が遅い」「面接調整が後回しになる」という問題を、店長の意識や能力だけで解決しようとしてもうまくいきません。
飲食店の採用では、店長に頑張ってもらうより、忙しくても採用が止まらない仕組みを作ることの方が重要です。
採用が回らない店は「応募後の工程」を書き出す
まず一度、応募が来てから採用するまでを並べます。
応募受信。
応募者情報の確認。
電話またはメール。
面接日の調整。
面接。
合否連絡。
入社日の調整。
初日の案内。
こうして並べると分かりますが、一人採用するまでにはかなり細かい作業があります。
さらに、応募者から返信がなければ再連絡する。
面接日時を変更する。
辞退が発生する。
などの例外対応もあります。
これを全部「店長が時間のある時にやる」という運用にすると、当然抜けます。
まず重要なのは、店長の採用業務を見える化することです。
「応募が来たら店長へ通知」で終わっていないか
求人媒体から応募通知が店長に届く。
ここまではできています。
問題はその後です。
営業中に通知が来る。
「後で連絡しよう」と思う。
忙しくなって忘れる。
翌日の夜に気付く。
この流れは珍しくありません。
応募者側は、その間に別の飲食店にも応募しています。
つまり採用では、応募数だけではなく「応募から最初の連絡までの時間」を管理した方がいい。
店長が営業時間中に対応できないなら、
本部で一次対応する。
自動返信を設定する。
面接候補日時を最初から提示する。
など、店長以外でも進められる工程を作ります。
自動返信には「応募ありがとうございます」以上の役割がある
応募直後の自動返信を、
「ご応募ありがとうございます。担当者より改めてご連絡いたします」
だけにしている会社があります。
悪くはありませんが、もう少し使えます。
例えば、
「原則○日以内にご連絡します」
「面接は店舗で20~30分程度を予定しています」
「お急ぎの場合はこちらへご連絡ください」
などを加える。
さらに採用システム上可能なら、面接予約ページへ誘導する方法もあります。
応募者に次の動きが分かれば、「応募したけれど何も返事がない」という不安を減らせます。
応募直後の初動対応が採用率に与える影響は『求職者の温度感は応募直後が一番高い|初動対応で採用率が変わる理由』で詳しく解説しています。
面接調整を何往復もしていないか
店長:
「面接可能な日時を3つ教えてください」
応募者:
「火曜日18時か水曜日17時です」
店長:
「すみません、どちらも難しいです。木曜はいかがでしょうか」
応募者:
「木曜は学校があります」
こうしたやり取りを何往復もすると、店長にも応募者にも負担です。
例えば店長が面接できる時間を、
火曜15:00~17:00。
木曜14:00~17:00。
土曜11:00~12:00。
のように最初から枠として持っておく。
その中から応募者に選んでもらえば調整は早くなります。
採用を毎回ゼロから予定調整するのではなく、営業シフトの中に採用時間を先に置くという考え方です。
面接設定につながる連絡フローの作り方は『面接設定率を上げるには?採用担当が整えるべき連絡フロー』で詳しく解説しています。
店長しか面接できない体制を疑う
複数店舗を運営している飲食企業では、店長以外が面接できる仕組みを検討する価値があります。
エリアマネージャー。
副店長。
本部採用担当。
一定の経験を持つ社員。
もちろん最終判断を店長が行う企業でもいいと思います。
ただ、一次面談からすべて店長が行う必要があるのかは別問題です。
特にアルバイトを年間何十人も採用する企業なら、面接質問や評価項目を共通化しておけば、担当者によるバラつきも抑えやすくなります。
店長個人の「なんとなく良さそう」で採用する状態から、組織として採用する状態へ変えていく必要があります。
面接で聞く内容を毎回考えない
面接時間が長くなる原因の一つが、質問内容が決まっていないことです。
アルバイト採用なら、
希望勤務曜日。
勤務可能時間。
土日勤務の可否。
長期休暇中の勤務。
通勤方法。
飲食経験。
いつから勤務できるか。
このあたりは共通で確認できます。
さらに店舗で重視する項目を3~5個程度設定しておけば、面接はかなり整理できます。
履歴書を上から順番に全部確認する必要はありません。
店舗として採用判断に必要な情報を先に決めておく方が効率的です。
応募者情報をLINEや個人スマホだけで管理しない
小規模店舗では、
「昨日応募してきた田中さん、どうなった?」
「誰でしたっけ?」
ということが起こります。
応募者情報が求人媒体、メール、店長の電話、LINEなどに分散しているからです。
少なくとも、
応募日。
連絡済み・未連絡。
面接日時。
面接実施。
合格・不採用。
入社予定日。
を一覧で見られるようにした方がいい。
高度な採用管理システムが必ず必要という話ではありません。
採用人数が少なければスプレッドシートでも構いません。
重要なのは、「今この応募者がどこにいるのか」を誰でも確認できることです。
採用KPIを「応募数」で終わらせない
例えば1カ月に30応募あった。
一見悪くありません。
しかし、
30応募
↓
連絡できた人15名
↓
面接予約8名
↓
面接実施4名
↓
採用2名
だったとします。
この場合、求人媒体からの応募数をさらに増やす前に、応募後の対応を改善した方が採用人数が増える可能性があります。
私なら、
応募数。
連絡率。
面接設定率。
面接実施率。
採用率。
まで見ます。
求人広告に10万円追加することだけが採用改善ではありません。
既に来ている30応募を、どこまで採用につなげられるか。
ここを見るのが大切です。
面接前日・当日の連絡もテンプレート化する
面接辞退や無断欠席が多い場合は、前日の案内も仕組みにします。
「明日○月○日16時より面接予定です」
「店舗正面入口からお入りください」
「服装は普段着で構いません」
「到着しましたらスタッフへ面接の旨をお伝えください」
これだけでも、応募者が迷いにくくなります。
毎回店長が文章を考える必要はありません。
テンプレートを用意して、名前と日時だけ変更すればいい。
採用業務は、考える仕事と作業を分けることでかなり軽くできます。
前日連絡の具体的な案内の作り方は『面接前日の連絡で辞退率は変わる?求職者を安心させる案内の作り方』で詳しく解説しています。
本部がやること、店舗がやることを決める
複数店舗の場合は特にここが重要です。
例えば、
求人作成・掲載=本部。
応募一次対応=本部。
面接日時調整=本部。
店舗面接=店長。
合否判断=店長。
合否連絡・初日案内=本部。
という形もあります。
逆に店舗数や会社規模によっては、ほとんどを店長がやる方が早い場合もあります。
正解は一つではありません。
ただ、「なんとなく店長が全部やっている」は改善できます。
店長を採用担当者にするなら、時間も渡す
「採用も店長の仕事だから」
と言うのは簡単です。
しかし店舗運営、売上管理、教育、シフト作成、発注に加えて採用まで任せるなら、その業務を行う時間が必要です。
採用が後回しになる店長に、
「もっと早く返信してください」
と伝えるだけでは変わりません。
応募後のどこを自動化するのか。
誰に移管するのか。
何をテンプレート化するのか。
店長にしかできない判断は何なのか。
ここを整理した方が、結果として採用スピードは上がります。
採用が苦手な店長が問題なのではなく、忙しい店長でも回せる採用工程になっていないことが問題かもしれません。
求人媒体を増やす前に、一度「応募が来た後」を図にしてみる。
飲食店の採用改善では、そこから手を付ける価値はかなりあります。
「採用AI・業務効率化」だけでなく、採用活動全体を見直したい場合は 採用強化プロジェクト をご覧ください。
参考データ
- マイナビ キャリアリサーチLab「非正規雇用に関する企業の採用状況調査(2026年3-4月)」
- マイナビ キャリアリサーチLab「非正規雇用に関する求職者・新規就業者の活動状況調査(2026年7-8月)」
- 厚生労働省「職業情報提供サイト(job tag)」
