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現場責任者から「今回も応募者の質が悪いですね」と言われた。
採用担当としては、かなりつらい一言です。
求人広告を出している。
原稿も修正した。
媒体担当者ともやり取りしている。
応募後の連絡もしている。
それでも現場からは「良い人がいない」と言われる。
このとき、人事が最初にやるべきことは、応募者を責めることではありません。現場に反論することでもありません。
確認すべきなのは、「質が悪い」とは具体的に何を指しているのかです。
経験が足りないのか。
勤務条件が合わないのか。
人柄が合わないのか。
仕事理解が浅いのか。
スキルが足りないのか。
定着しなさそうなのか。
そもそも現場の期待値が高すぎるのか。
ここを分けないと、改善策は見えてきません。
「質が悪い」はそのまま受け取らない
「応募者の質が悪い」という言葉は、とても曖昧です。
営業職なら、営業経験が足りないという意味かもしれません。
事務職なら、PCスキルが足りないという意味かもしれません。
介護職なら、夜勤ができないという意味かもしれません。
アルバイトなら、希望シフトが合わないという意味かもしれません。
つまり、「質」という言葉の中身は職種によって違います。
人事がまず確認すべきなのは、現場が何を不満に感じているかです。
「どの点が合わなかったですか」
「経験ですか、条件ですか、人物面ですか」
「入社後にどんな不安がありますか」
「必須条件に満たなかったのはどこですか」
このように分解して聞く必要があります。
応募者の質が悪く見える原因
応募者の質が悪く見える原因は、大きく5つあります。
| 原因 | 起きていること |
|---|---|
| 採用要件が曖昧 | どんな人が合格か決まっていない |
| 求人原稿が広すぎる | ターゲット外の応募が増える |
| 媒体が合っていない | 採りたい層に届いていない |
| 現場の理想が高い | 市場相場とズレている |
| 選考基準がバラバラ | 面接官によって判断が違う |
このうち、応募者本人の問題だけで片付けられるものは多くありません。
求人原稿が「未経験歓迎」「誰でも歓迎」に寄りすぎている場合、幅広い応募が来ます。媒体がターゲットに合っていない場合、求める層と違う応募が増えます。現場の理想が高すぎる場合、応募者が悪いのではなく、採用要件が市場と合っていない可能性があります。
求人原稿と採用基準は合っているか
応募者の質に課題があるとき、求人原稿と採用基準の一致を確認します。
たとえば、求人原稿では「未経験歓迎」と書いている。
しかし、現場は「できれば経験者がいい」と思っている。
求人原稿では「簡単な事務作業」と書いている。
しかし、実際はExcel集計や電話対応、社内調整が多い。
求人原稿では「営業未経験OK」と書いている。
しかし、実際は新規開拓や目標管理に抵抗がない人を求めている。
このズレがあると、応募者の質が悪いように見えます。
本当の原因は、求人で伝えている内容と、現場が求めている内容が一致していないことです。
媒体別に応募者の質を見る
応募者の質を確認するときは、媒体別に見ることも重要です。
A媒体は応募数が多いが、面接通過率が低い。
B媒体は応募数が少ないが、内定率が高い。
C媒体は未経験応募が多い。
D媒体は経験者応募が多い。
このように、媒体ごとに応募者層が違います。
応募者の質を改善したいなら、応募数ではなく、面接通過率や内定率まで見る必要があります。
求人広告の効果測定では、表示やクリック、応募数だけでなく、その後の選考結果まで見ることが大切です。Google re:Workでも、構造化された基準を使うことで評価の一貫性を高める考え方が示されています。
現場の理想と市場相場をすり合わせる
応募者の質が悪いと言われる背景には、現場の理想が高すぎるケースもあります。
月給は相場より低い。
休日は少ない。
教育体制は十分ではない。
でも経験者がほしい。
即戦力がほしい。
長く働いてほしい。
コミュニケーション力も高い人がいい。
この条件では、採用が難しくなります。
2026年6月の有効求人倍率は1.18倍、新規求人倍率は2.16倍です。採用市場では企業側が選ぶだけでなく、求職者からも選ばれる状態です。
人事は、現場の希望をそのまま求人にするのではなく、市場相場と照らし合わせて調整する必要があります。
人事が確認すべきチェック項目
現場から「応募者の質が悪い」と言われたら、次の項目を確認します。
| 確認項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 必須条件 | 本当に入社時点で必要か |
| 歓迎条件 | 必須条件と混ざっていないか |
| 求人原稿 | 現場の求める人物像と合っているか |
| 媒体 | 採用ターゲットに届いているか |
| 給与・条件 | 市場と比べて大きく弱くないか |
| 面接基準 | 現場と人事で評価が揃っているか |
| 辞退理由 | 条件・仕事内容・対応で離脱していないか |
| 入社後活躍者 | どんな人が定着しているか |
この確認をせずに媒体変更や原稿修正だけをしても、同じ問題が繰り返されます。
まとめ

「応募者の質が悪い」と言われたとき、人事が見るべきなのは応募者だけではありません。
採用要件。
求人原稿。
媒体選定。
現場の期待値。
面接基準。
給与や条件。
市場相場。
これらを確認する必要があります。
質が悪いという言葉を、経験不足、条件不一致、スキル不足、人物面、仕事理解不足などに分解することで、改善策が見えてきます。
応募者の質に悩んでいる企業様は、まず「どんな人を採りたいのか」と「求人で何を伝えているのか」が一致しているかを確認してみてください。
