「給与を上げないと応募は来ないのでしょうか」
「大手より条件が弱いから採用できないのでしょうか」
「中小企業が求職者に選ばれるには、何を伝えればいいのでしょうか」
採用のご相談をいただく中で、このようなお話を聞くことがあります。
もちろん、給与は大切です。求職者にとって生活に直結する部分なので、給与が相場より大きく低ければ応募は集まりにくくなります。
ただ、求職者は給与だけで仕事を選んでいるわけではありません。
働き方。
休日。
人間関係。
仕事内容。
会社の安定性。
評価制度。
成長できる環境。
職場の雰囲気。
家庭やプライベートとの両立。
こうした条件以外の要素も、応募判断に大きく影響します。
この記事では、求職者が給与以外に見ているポイントと、中小企業が応募を増やすために伝えるべき内容についてお伝えします。
給与は重要だが、それだけでは決まらない
まず、給与が重要であることは間違いありません。
dodaの2025年転職理由ランキングでは、転職理由の1位が5年連続で「給与が低い・昇給が見込めない」とされ、回答割合は36.6%でした。
また、dodaの転職人気企業ランキングでは、働きたい企業を選んだ理由として「給与・待遇が良さそう」が50.9%で最も高くなっています。
この数字を見ると、給与や待遇が応募判断に大きく影響していることは分かります。
ただし、同じ調査では「安定して長く働けそう」42.0%、「企業イメージがいい」37.6%、「将来性がありそう」34.7%、「やりがいのある仕事ができそう」28.0%など、給与以外の要素も多く挙がっています。
つまり、給与は重要ですが、給与だけが応募理由ではありません。
求職者が給与以外に見ているもの
求職者が給与以外に見ているものを整理すると、以下のようになります。
| 判断ポイント | 求職者が見ていること | 企業が伝えるべきこと |
|---|---|---|
| 働き方 | 残業、休日、シフト、柔軟性 | 実際の働き方、相談可否 |
| 安定性 | 長く働けるか、会社は大丈夫か | 事業内容、取引先、定着状況 |
| 人間関係 | 職場の雰囲気、上司、同僚 | 年齢層、人数、教育体制 |
| 成長環境 | スキルが身につくか | 研修、評価、キャリア |
| 仕事内容 | 自分に合うか、続けられるか | 具体的な業務、1日の流れ |
| 会社の信頼感 | 実態とズレがないか | HP、口コミ対応、写真 |
| プライベートとの両立 | 家庭や生活と合うか | 休み、シフト、急な相談 |
これらは、給与ほど数字で見えやすいものではありません。しかし、応募判断には大きく関わります。
中小企業は給与以外の魅力を言語化するべき
中小企業が大手企業と採用で戦う時、給与や福利厚生だけで勝つのは難しいことがあります。
大手企業の方が給与が高い。
福利厚生が整っている。
知名度がある。
安定して見える。
このような差は確かにあります。
ただ、中小企業にも強みはあります。
社長や上司との距離が近い。
仕事の幅が広い。
意見が通りやすい。
転勤がない。
地域で長く働ける。
人間関係が見えやすい。
柔軟に相談しやすい。
未経験でも近い距離で教えてもらえる。
問題は、こうした魅力が求人票に書かれていないことです。
「うちは普通だから」と思っていることでも、求職者から見ると魅力になることがあります。
働き方の情報は応募判断に直結する
求職者は、給与だけでなく働き方を見ています。
残業はどれくらいあるのか。
休みは取りやすいのか。
シフトはどの程度相談できるのか。
子どもの行事や急な休みに対応できるのか。
副業や家庭と両立できるのか。
特にアルバイト・パート希望者では、働き方の柔軟性が応募理由になりやすいです。アイデムの2025年7月調査では、パート・アルバイトを希望する理由として「自分の都合のよい時間や曜日に働きたいから」が55.0%で最も高く、「生活との両立を図りたいから」も31.5%となっています。
この結果を見ると、パート・アルバイト採用では時給だけでなく、働き方の自由度や生活との両立をどう伝えるかが重要だと分かります。
人間関係と職場の雰囲気も見られている
求職者が応募前に気にしているものの一つが、人間関係です。
どんな人と働くのか。
職場はピリピリしていないか。
質問しやすい雰囲気か。
上司は話しやすいか。
未経験でも受け入れてもらえるか。
このあたりは、求人票に書かれていないことが多いです。
ただ、求職者にとってはとても重要です。特に過去に人間関係で退職した経験がある人は、次の職場を選ぶ時にかなり気にします。
職場の雰囲気を伝えるには、写真、スタッフの声、年齢層、人数、教育担当者の紹介などが有効です。
会社の信頼感も応募を左右する
求職者は、会社が信頼できるかどうかも見ています。
求人票に良いことが書いてあっても、ホームページが古い、情報が少ない、口コミに不安がある、SNSが止まっているという状態だと、応募をためらうことがあります。
ワークポートの2026年調査では、SNS・口コミの情報を確認すると回答した人のうち、SNSや口コミが原因で「応募をやめた」「選考途中で辞退した」「内定後に辞退した」を合わせると48.0%でした。
給与や条件を整えることも大切ですが、会社として信頼される情報発信も重要です。

まとめ
求職者は給与だけで仕事を選んでいるわけではありません。
もちろん給与は重要です。相場と大きくズレていれば応募は集まりにくくなります。
ただ、求職者は給与と同時に、働き方、人間関係、会社の安定性、成長環境、職場の雰囲気、家庭との両立、会社の信頼感も見ています。
中小企業が採用で選ばれるためには、給与だけで勝とうとするのではなく、自社で働く理由をきちんと言語化することが大切です。
求人条件や自社の魅力の打ち出し方に悩んでいる企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。
元求人広告代理店の目線で、求職者に伝わる採用設計を一緒に整理していければと思います。
