本記事のテーマに関連するサービスとして、株式会社ネオストナルでは採用支援サービスを提供しています。
経営会議で採用状況を報告するとき、次のような説明になっていないでしょうか。
「応募は少し増えています」
「面接は何件か入っています」
「今月はまだ採用できていません」
「媒体を変えるか検討しています」
この報告だと、経営層は判断しにくくなります。
応募が少ないのか。
応募はあるが面接につながっていないのか。
面接はできているが内定を出せないのか。
内定は出しているが承諾されないのか。
そもそも採用目標に対して進捗が遅れているのか。
ここが数字で見えないと、採用改善は感覚になります。
採用KPIとは、採用目標を達成するために追うべき途中指標です。採用活動の最終ゴールは「入社」や「定着」ですが、いきなりそこだけを見ても改善はできません。応募、面接、内定、承諾、入社までを分けて見る必要があります。
2026年6月の有効求人倍率は1.18倍、新規求人倍率は2.16倍と公表されています。求職者より求人が多い状況では、求人を出して待つだけでなく、採用活動を数字で管理することが重要です。
この記事の結論
採用KPIは、細かく作ればよいわけではありません。
中小企業がまず見るべきなのは、次の7つです。
| KPI | 何を見る数字か |
|---|---|
| 応募数 | 母集団が足りているか |
| 面接設定数 | 応募者と接点化できているか |
| 面接実施数 | 辞退・ドタキャンで逃していないか |
| 内定数 | 採用基準に合う人がいるか |
| 内定承諾数 | 魅力づけ・条件提示ができているか |
| 入社数 | 採用成果につながっているか |
| 入社単価 | 採用費が適正か |
まずはこの7つで十分です。
表示数やクリック率まで見られる媒体であれば、さらに細かく見るべきですが、社内の採用管理としては、応募から入社までの流れを見える化することが先です。
採用KPIは「経営に説明できる数字」にする
人事・採用担当者が見る数字と、経営層に説明する数字は少し違います。
現場では、応募者ごとの状況や面接日程、連絡状況まで細かく見ます。
一方、経営層が知りたいのは、採用活動が事業計画に対して進んでいるかです。
たとえば、経営層には次のように説明できる状態が理想です。
「今期は営業職3名の採用が必要です。現在、応募は42件、面接実施は12件、内定2件、承諾1件です。過去実績から見ると、あと応募20件、面接6件程度が必要です」
この説明なら、経営層も判断できます。
追加予算が必要なのか。
媒体を変えるべきなのか。
面接官を増やすべきなのか。
条件を見直すべきなのか。
採用KPIは、人事部の管理表ではなく、経営判断の材料にするべきです。
KPIを決める順番

採用KPIは、下から逆算して決めます。
最初に決めるのは応募数ではありません。
最初に決めるのは、必要な入社人数です。
たとえば、3か月以内に2名採用したい場合を考えます。
過去の実績として、内定承諾率が50%、面接から内定に進む割合が25%、応募から面接実施まで進む割合が40%だとします。
この場合、2名入社するには、4名の内定承諾が必要です。4名承諾してもらうには、8名に内定を出す必要があります。8名に内定を出すには、32名と面接する必要があります。応募から面接実施まで40%なら、80件程度の応募が必要です。
つまり、採用目標2名に対して、必要応募数は80件という見方になります。
この逆算がないまま「応募を増やしたい」と言っても、どれくらい増やせばよいのか分かりません。
KPIを作るときの注意点
採用KPIでよくある失敗は、応募数だけを目標にすることです。
応募数は重要です。
ただし、応募数だけを追うと、採用したい人材からズレることがあります。
応募数は多いが、面接につながらない。
面接は多いが、採用基準に合わない。
内定は出しているが、承諾されない。
入社しても、すぐ辞めてしまう。
この状態では、応募数が増えても採用成功とは言えません。
採用KPIは、応募数だけでなく、面接設定率、面接実施率、内定率、内定承諾率、入社率まで見る必要があります。
人事責任者が経営層に伝えるべきこと
採用KPIを経営層に説明するときは、数字だけを並べない方がよいです。
大切なのは、「今どこが詰まっているのか」を伝えることです。
たとえば、
応募数が不足している。
応募はあるが面接につながっていない。
面接はできているが内定を出せない。
内定辞退が多い。
入社後の定着に課題がある。
このように、工程別に課題を分けます。
マイナビの中途採用状況調査2026年版では、2026年の中途採用について91.1%の企業が積極的な意向を示しているとされています。採用競争が強い状況では、「頑張っています」ではなく、どの工程を改善するのかを数字で説明する必要があります。
まとめ
採用KPIは、採用活動を管理するためだけの数字ではありません。
経営層に採用状況を説明し、必要な判断をしてもらうための数字です。
まずは、応募数、面接設定数、面接実施数、内定数、内定承諾数、入社数、入社単価を見える化しましょう。
採用KPIが整理できれば、求人媒体の問題なのか、応募後対応の問題なのか、面接の問題なのか、内定後フォローの問題なのかが見えやすくなります。
採用KPIを整えたい、経営層に説明できる採用数字を作りたい、感覚ではなく数字で採用改善を進めたい企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。
元求人広告代理店の目線で、採用KPI設計・媒体改善・応募後対応まで一緒に整理していければと思います。
