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「せっかく採用したのに、すぐ辞めてしまった」
面接では問題なさそうだったのに、入社後に合わなかった」
入社して数週間で退職の相談を受けた」
採用活動をしていると、こうした悩みは少なくありません。
人手不足の中で応募を集め、面接をして、ようやく採用できた人がすぐに辞めてしまう。これは企業にとって大きなダメージです。求人広告費、面接にかけた時間、教育にかけた工数、現場の負担を考えると、早期離職は単なる「1名退職した」という話ではありません。
エン・ジャパンの2025年調査では、早期離職経験者は31%で、入社から半年で早期離職が発生した場合の企業損失額は640万円と試算されています(※1)。また、早期離職の理由として最も多かったのは「入社前に聞いていた情報と違ったから」38%でした。
この結果を見ると、早期離職は入社後の本人の問題だけではなく、採用前の情報提供や期待値調整にも原因があることが分かります。
早期離職は、入社後に突然起きるものではありません。実は、求人原稿、面接、条件説明、内定後フォロー、入社初日の対応の中で少しずつ始まっています。
この記事では、早期離職を防ぐために、採用前から見直すべきポイントをお伝えします。
早期離職は「入社後の問題」だけではない
早期離職が起きると、企業側は入社後の教育や本人の適性に目を向けがちです。
「思ったより覚えが悪かった」
本人のやる気が続かなかった」
現場に合わなかった」
最近の若い人はすぐ辞める」
もちろん、入社後の教育や本人の適性も関係します。ただ、そこで終わらせてしまうと、次の採用でも同じことが起きる可能性があります。
大切なのは、入社前にどのような情報を伝えていたかです。
求人原稿で良い面だけを強調していなかったか。
面接で仕事の大変な部分を説明していたか。
条件面を曖昧にしたまま内定を出していなかったか。
入社後の教育体制を具体的に伝えていたか。
求職者の不安を確認していたか。
ここを見直さないと、採用しても定着しない状態が続きます。
求人原稿の段階でミスマッチは始まる
早期離職を防ぐうえで、最初に見直すべきは求人原稿です。
求人原稿は応募を集めるためのものですが、同時に入社後のミスマッチを防ぐためのものでもあります。
応募数を増やしたいからといって、良い面だけを書く。
「未経験でも簡単」と書く。
「誰でも歓迎」と広げすぎる。
大変な部分を書かない。
仕事内容を曖昧にする。
休日や残業をぼかす。
このような求人原稿は、応募数は増えるかもしれません。ただ、入社後に「聞いていた話と違う」と言われる可能性が高くなります。
たとえば、物流や倉庫の仕事であれば、立ち仕事なのか、重いものを持つのか、冷暖房はあるのか、忙しい時間帯はいつかを伝える必要があります。コールセンターであれば、クレーム対応の有無、トークスクリプト、研修期間、最初に担当する業務を伝えるべきです。
求職者にとって必要なのは、きれいな言葉ではなく、働くイメージが湧く情報です。
面接で期待値を調整できているか
早期離職を防ぐには、面接での期待値調整も重要です。
面接は、企業が応募者を見極める場であると同時に、求職者に会社の現実を理解してもらう場でもあります。
面接で良い面ばかり話してしまうと、入社後にギャップが起きます。
「働きやすい職場です」
未経験でも大丈夫です」
すぐ慣れます」
丁寧に教えます」
こうした説明自体が悪いわけではありません。ただし、具体性が必要です。
どの部分が働きやすいのか。
未経験者は最初に何から覚えるのか。
どのくらいで慣れる人が多いのか。
誰がどのように教えるのか。
最初につまずきやすいポイントはどこか。
ここまで説明することで、求職者は現実的に判断できます。
マイナビの組織定着に関する研究調査では、採用活動時に職務内容や評価制度などの実態を正確に伝えることが、入社後の理想と現実の悪いギャップを抑えるとされています。
つまり、面接で大切なのは、良く見せることではなく、納得して入社してもらうことです。
入社後の受け入れ体制まで採用前に考える
採用は、入社が決まったら終わりではありません。
入社後に誰が教えるのか。
初日は何をするのか。
最初の1週間は何を覚えるのか。
1か月後にどの状態を目指すのか。
分からないことを誰に聞けばよいのか。
評価やフィードバックはいつ行うのか。
ここが曖昧なまま入社を迎えると、新入社員は不安になります。
特に中小企業では、現場が忙しく、入社後の教育が「見て覚えて」「分からないことがあれば聞いて」という形になりやすいです。ただ、新しく入った人からすると、何が分からないのかも分からない状態です。
早期離職を防ぐには、採用前から入社後の受け入れ体制を決めておく必要があります。
早期離職を防ぐためのチェック表
| 採用段階 | 起きやすいズレ | 見直すべきこと |
|---|---|---|
| 求人原稿 | 良い面だけを伝えすぎる | 仕事内容・大変な点・向き不向きを書く |
| 応募後対応 | 条件や流れが不明確 | 面接前に仕事内容や選考フローを伝える |
| 面接 | 会社説明が抽象的 | 入社後の現実を具体的に説明する |
| 内定後 | 不安を確認しない | 条件・入社後の流れ・教育体制を共有する |
| 入社初日 | 放置感が出る | 初日の流れと担当者を明確にする |
| 入社後1か月 | 困りごとが見えない | 定期的な面談や声かけを行う |
早期離職を防ぐには、採用の各段階でズレを減らすことが大切です。
中小企業が特に注意すべきこと
中小企業では、一人の早期離職が現場に与える影響が大きいです。
教育担当者の負担が増える。
既存社員の残業が増える。
採用活動をやり直す必要がある。
求人広告費が再度かかる。
現場の士気が下がる。
だからこそ、中小企業こそ「採って終わり」の採用ではなく、「定着まで考えた採用」を行う必要があります。
大手企業のような研修制度がなくても構いません。まずは、求人・面接・入社後の説明をそろえることです。
求人で言っていること。
面接で説明すること。
入社後に実際に起きること。
この3つをできるだけ一致させることが、早期離職防止の第一歩です。

まとめ
早期離職は、入社後だけの問題ではありません。
求人原稿で良く見せすぎる。
面接で大変な部分を伝えない。
条件説明が曖昧。
入社後の教育体制が見えていない。
入社後に放置される。
こうしたズレが積み重なることで、早期離職は起きやすくなります。
採用の目的は、入社してもらうことだけではありません。入社後に定着し、活躍してもらうことです。
早期離職を減らしたい、求人・面接・入社後のズレを整理したい企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。
元求人広告代理店の目線で、採用設計・求人原稿・面接・入社後フォローまで一緒に整理していければと思います。
