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忙しい方へ|この記事の結論
この記事でわかること
居酒屋の求人を見ている求職者は、時給だけを見ているわけではありません。
むしろ応募ボタンを押す直前に、
「終電に間に合うのかな」
「酔ったお客さんに絡まれないかな」
「金曜の夜は相当忙しそう」
「閉店時間が23時でも、実際に帰れるのは何時?」
「大学の次の日が1限でも続けられる?」
こうしたことを考えています。
居酒屋の採用が難しい時、企業側では「最近は飲食店で働きたい学生が減った」「時給を上げないと採れない」という話になりがちです。
もちろん給与相場は重要です。
ただ、実際の求人を見ると、夜の仕事だからこそ説明すべき情報が抜けているケースもかなりあります。
「居酒屋スタッフ募集/未経験歓迎/まかないあり」だけでは、求職者の不安にほとんど答えられていません。
先に結論|居酒屋求人は「退勤するまで」を見せる
居酒屋採用で私が特に確認したいのは、次の4点です。
- ラストまで勤務した場合、本当に何時に退勤できるのか
- 終電に間に合わない場合はどうしているのか
- 酔ったお客様への対応をアルバイトだけに任せない体制があるか
- ピークタイムを何人程度で回しているのか
居酒屋求人では「働いている時間」だけではなく、仕事が終わった後に無事に帰れるところまで説明した方が応募者は判断しやすくなります。
「23時閉店」と「23時退勤」は全く違う
求人に、
勤務時間17:00~23:00
と書いてあれば、求職者は23時頃に帰れると思います。
しかし実際には23時閉店。
そこから片付け、清掃、レジ締めをして退勤は24時。
このような店舗であれば、最初から実態を伝えた方がいいです。
特に学生の場合、電車通勤なら終電があります。
最寄駅の終電が23時45分なのに、毎回退勤が23時50分では、その人はそもそも長く働けません。
店舗として、
「22時30分までの勤務も相談可能」
「終電時間を考慮してシフトを調整」
「ラスト勤務は徒歩・自転車で通えるスタッフを中心に編成」
などの運用があるなら、それを求人に出せます。
単に「シフト相談OK」と書くよりはるかに具体的です。
ラストまで入れる人だけを募集する必要があるのか
人手不足になると、
「17時~閉店まで勤務できる方」
という条件を付けたくなります。
ただ、店舗側で本当に不足している時間を分解すると、必ずしも全員がラストまで必要とは限りません。
例えば、
18時~21時が一番忙しい。
21時以降は客数が落ち着く。
閉店作業は既存メンバーで回せる。
という店舗なら、18時~21時の3時間だけでも戦力になります。
逆に23時以降の片付け要員だけが不足しているなら、そこに特化した求人を作った方がいい。
「夕方から閉店まで」という大きな募集条件ではなく、どの時間に何人足りないのかから求人を作ることが大切です。
飲食店のアルバイト求人の作り方は『飲食店のアルバイト応募が来ない理由|時給以外で選ばれる求人の作り方』で詳しく解説しています。
「採用コンテンツ制作」だけでなく、採用活動全体を見直したい場合は 採用強化プロジェクト をご覧ください。
酔客対応を「接客の仕事」でまとめない
居酒屋で働いたことがない人にとって、かなり大きな不安が酔ったお客様への対応です。
「怒鳴られたらどうするのか」
「しつこく絡まれた時も自分が対応するのか」
特に高校生・大学生や初バイトの人であれば不安になるのは自然です。
それなのに求人では、
「お客様への接客をお願いします」
の一言で終わっていることがあります。
店舗として、
トラブル時は店長が対応する。
新人アルバイトだけで対応させない。
困った場合は社員を呼ぶルールになっている。
といった体制があるなら、それを伝えた方がいいです。
「安心して働けます」より、
「困ったお客様への対応は社員へ交代できます」
の方が、何倍も具体的です。
居酒屋だからこそ「客層」を伝える
同じ居酒屋でも店舗によって客層は違います。
学生の宴会が多い店。
仕事帰りの会社員が中心。
家族連れが多い。
常連客が多い個人店。
観光客が多い店舗。
求職者が想像する「居酒屋」と、実際の店舗が違う可能性があります。
例えば落ち着いた客層が中心なのであれば、
「平日は会社員のお客様が中心で、2~4名程度でのご利用が多い店舗です」
といった説明ができます。
逆に大人数の宴会が多い店なら、その活気を魅力として出す方法もあります。
「居酒屋」という業態だけで判断されず、自分の店がどんな店なのかまで伝えることが必要です。
金曜夜の忙しさを隠さない
飲食店でよくあるのが、
「簡単なお仕事です!」
という表現です。
確かに最初に任せる仕事は簡単かもしれません。
ただ、駅前の居酒屋で金曜19時に満席になれば、仕事はそれなりに忙しくなります。
この現実を隠して応募を増やしても、入社後のギャップになります。
例えば、
「金曜の19~21時頃は特に賑わいますが、ホール5名・キッチン4名ほどで分担しています」
と書く。
忙しいことが問題なのではありません。
応募者が怖いのは「自分一人で回せと言われるのではないか」という部分です。
人数や役割分担まで見せることで、忙しさの印象は変わります。
仕事の大変な部分を伝えた方が定着する理由は『仕事の大変な部分を伝えた方が定着する理由|採用で隠してはいけない情報』で詳しく解説しています。
学生を採りたいならテスト期間まで考える
学生歓迎と書きながら、
週4日必須。
金土日必須。
テスト期間も固定シフト。
では、実際に応募できる学生は限られます。
もちろん店舗運営上、必要な条件を無理に緩和する必要はありません。
ただ、
「通常は週3日、テスト前は週1日に変更可能」
「大学の長期休暇は多めに入ることもできます」
などの柔軟性が本当にあるなら、そこまで伝えます。
学生採用では、今週働けるかだけではなく、半年後も学校と両立できる設計かが定着に影響します。
飲食店の学生バイト採用の考え方は『飲食店の高校生・大学生バイト採用|初バイト不安を減らす求人の作り方』で詳しく解説しています。
居酒屋は「夜だから稼げる」以外の魅力もある
夜勤務なので、深夜帯にかかれば給与面が魅力になる場合があります。
ただ、それだけで競争すると、より時給の高い店舗が出た時に負けます。
飲食店には他にも、
まかない。
スタッフ割引。
駅からの近さ。
同世代のスタッフ。
シフト提出方法。
髪型・髪色のルール。
接客スキル。
常連客との関係。
など、求人で伝えられる材料があります。
例えばまかないがあるなら「まかないあり」だけではなく、実際の内容を写真で見せてもいい。
スタッフ同士の年齢が近いなら、誰が働いているのかを紹介してもいい。
採用材料は給与欄だけにあるわけではありません。
居酒屋採用では「不安を消す情報」が差別化になる
居酒屋の採用が難しい時に、時給を上げる判断が必要なこともあります。
ただ、その前に一度、求人を初めて見る人になったつもりで確認してみてください。
何時に帰れるのか。
終電は大丈夫なのか。
酔ったお客様には誰が対応するのか。
金曜夜はどのくらい忙しいのか。
シフトはどこまで相談できるのか。
この情報が分からないまま、「楽しい職場です」と書かれていても、応募者は判断できません。
居酒屋という仕事には、居酒屋ならではの不安があります。
だからこそ、その不安に真正面から答えている求人は目立ちます。
時給を100円上げる前に、応募者が頭の中で止まっている場所を一つずつなくす。
居酒屋スタッフの採用改善は、そこから始めても遅くありません。
参考データ
- マイナビ キャリアリサーチLab「非正規雇用に関する企業の採用状況調査(2026年3-4月)」
- マイナビ キャリアリサーチLab「非正規雇用に関する求職者・新規就業者の活動状況調査(2026年7-8月)」
- 厚生労働省「職業情報提供サイト(job tag)」
