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「仕事の大変な部分を書くと応募が減りませんか」
面接で正直に話しすぎると辞退されるのではないですか」
どこまで求人票に書けばいいのか分かりません」
採用のご相談をいただく中で、こうした質問を受けることがあります。
企業側としては、できるだけ応募を増やしたいものです。そのため、求人原稿や面接では、会社の良い面、働きやすい面、魅力的な条件を中心に伝えたくなります。
もちろん、魅力を伝えることは大切です。
ただ、仕事の大変な部分を隠したまま採用すると、入社後にミスマッチが起きやすくなります。
「こんな仕事だとは思わなかった」
面接では聞いていなかった」
入社前のイメージと違った」
自分には合わないかもしれない」
こうした不満は、早期離職につながります。
エン・ジャパンの2025年調査では、早期離職理由の上位に「入社前に聞いていた情報と違ったから」38%が挙がっています(※1)。また、早期離職を防ぐためにあればよかったものとして「事前にネガティブな情報も聞いている」が44%で上位でした。
この結果からも、求職者は良い情報だけではなく、仕事の大変な部分も事前に知りたいと考えていることが分かります。
大変な部分を伝えることは、応募を減らすだけではない
「大変な部分を伝えると応募が減る」と考える企業は多いです。
たしかに、合わない人からの応募は減るかもしれません。ただ、それは悪いことではありません。
採用で大切なのは、応募数を最大化することではなく、自社に合う人に応募してもらうことです。
大変な部分を知らずに応募した人が入社して、すぐに辞めてしまう。これは企業にとっても求職者にとっても良い結果ではありません。
逆に、大変な部分を理解したうえで応募してくれる人は、入社後のギャップが少なくなります。
仕事内容を理解している。
忙しい時間帯を知っている。
必要な体力やスキルを分かっている。
最初に覚えることを想像できている。
自分に合うかどうか考えたうえで応募している。
この状態で入社した方が、定着しやすくなります。
隠してはいけない情報
採用で隠してはいけない情報には、いくつかあります。
| 隠してはいけない情報 | 伝えないと起きること |
|---|---|
| 仕事内容の大変さ | 入社後に「思ったよりきつい」と感じる |
| 忙しい時間帯 | 業務量へのギャップが出る |
| 残業や繁忙期 | 働き方への不満につながる |
| クレーム対応や対人対応 | 精神的負担のギャップが出る |
| 体力的な負担 | 継続が難しくなる |
| 教育体制の実態 | 放置されたと感じる |
| 評価や昇給の現実 | 期待とのズレが起きる |
| 向いていない人の特徴 | ミスマッチ応募が増える |
これらは、求職者が入社前に知っておくべき情報です。
もちろん、表現の仕方は重要です。大変な部分だけを並べると、求人としての魅力が弱くなります。大切なのは、大変な部分とサポート体制をセットで伝えることです。
大変な部分の伝え方
仕事の大変な部分は、伝え方によって印象が変わります。
悪い例は、ただ厳しく書くことです。
「繁忙期はかなり忙しいです」
クレーム対応があります」
立ち仕事で体力が必要です」
覚えることが多いです」
これだけだと、求職者は不安になります。
良い伝え方は、大変な部分とフォローをセットにすることです。
「繁忙期は忙しくなりますが、シフトを厚めに組み、社員同士で声をかけながら対応しています」
お客様対応で難しい場面もありますが、困った時は責任者がすぐに代わります」
立ち仕事が中心ですが、休憩時間はしっかり確保しています」
最初は覚えることが多いですが、入社後1か月は先輩が横について教えます」
このように伝えると、求職者は現実を理解しながらも安心できます。
大変な部分を伝えた方が信頼される
求職者は、良いことばかり書かれた求人を必ずしも信頼していません。
「本当にそんなに良い会社なのか」
大変な部分を隠しているのではないか」
入社したら違うことを言われるのではないか」
このように考える人もいます。
特に転職経験がある人は、求人票と実態のズレに敏感です。過去にギャップを感じた経験がある人ほど、良いことだけの求人には慎重になります。
だからこそ、仕事の大変な部分も正直に伝えることが信頼につながります。
業種別に伝えるべき大変な部分
職種や業種によって、伝えるべき大変な部分は変わります。
コールセンターなら、電話対応への緊張感、クレーム対応の有無、研修内容。
介護職なら、身体介助の有無、夜勤、利用者対応、記録業務。
警備職なら、屋外勤務、立ち仕事、天候の影響、現場移動。
物流・倉庫なら、体力的負担、重い荷物の有無、温度環境、繁忙期。
飲食店なら、ピークタイムの忙しさ、接客対応、シフト、立ち仕事。
営業職なら、新規営業の有無、目標、移動、顧客対応。
これらを隠すのではなく、どのようにフォローしているかまで伝えることが大切です。
中小企業が特に意識すべきこと
中小企業では、職種の範囲が広くなりやすいです。
大手のように業務が細かく分かれておらず、一人が複数の役割を担うことがあります。これは大変な面でもありますが、成長や経験の幅という魅力にもなります。
たとえば、「事務」と言っても、データ入力だけではなく、電話対応、来客対応、営業サポート、簡単な経理補助まで含まれることがあります。
これを隠すと、入社後にギャップになります。
一方で、「幅広い業務に関われるため、会社全体の流れを理解しやすい」と伝えれば、前向きに受け取る人もいます。
大変な部分は、伝え方次第で魅力にもなります。

まとめ
仕事の大変な部分を伝えることは、応募を減らすためではありません。入社後のミスマッチを減らし、定着につなげるためです。
大変な部分を隠すと、入社後に「聞いていた話と違う」と感じられます。逆に、大変な部分とサポート体制を事前に伝えておけば、求職者は納得して判断できます。
採用で隠してはいけないのは、仕事内容の実態、忙しい時間帯、残業、体力的負担、教育体制、評価の現実、向き不向きです。
良く見せる採用ではなく、納得して選んでもらう採用を目指すことが大切です。
求人原稿や面接でどこまで伝えるべきか悩んでいる企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。
元求人広告代理店の目線で、求人原稿・面接設計・定着につながる情報設計まで一緒に整理していければと思います。
