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採用では「良い人を採りたい」と言います。
人事評価では「活躍している人を評価したい」と言います。
本来、この2つはつながっているはずです。
しかし実際には、採用基準と人事評価が別々に動いている会社があります。
採用時は「明るい人」「やる気がある人」「経験がある人」を重視する。
入社後の評価では「数字」「正確性」「チーム貢献」「改善行動」を見る。
このズレがあると、採用時に評価したポイントと、入社後に評価されるポイントが一致しません。
結果として、面接では良さそうに見えたのに入社後に活躍しない、逆に面接では目立たなかった人が入社後に活躍する、ということが起きます。
採用基準は、入社後活躍から逆算して作るべきです。
採用基準と人事評価がズレる理由
採用基準と人事評価がズレる理由は、採用時に「面接で見やすいもの」ばかり見てしまうからです。
話し方が明るい。
受け答えがスムーズ。
印象が良い。
経歴がきれい。
前職の会社名が有名。
もちろん、これらも参考にはなります。
ただ、入社後に活躍するかどうかは、それだけでは判断できません。
実際の仕事では、地道な確認、報告、改善、周囲との連携、数字への向き合い方、顧客対応、学習姿勢などが重要になることがあります。
採用基準を作るときは、人事評価で何を評価しているかを確認する必要があります。
入社後活躍者から逆算する
採用基準を作る時にまず見るべきなのは、社内で活躍している人です。
営業で成果を出している人。
事務で信頼されている人。
現場で長く続いている人。
新人教育が上手い人。
お客様から評価されている人。
その人たちに共通する行動を整理します。
| 見る視点 | 確認すること |
|---|---|
| 成果 | どの成果を出しているか |
| 行動 | 日々どんな行動をしているか |
| 考え方 | 仕事で何を大切にしているか |
| 周囲との関わり | 報告・相談・協力ができているか |
| 成長 | 入社後どう伸びたか |
| 定着 | 長く働けている理由は何か |
この整理をすると、採用時に見るべきポイントが具体化します。
たとえば、営業職で活躍している人が「初回訪問前の準備を徹底している」なら、面接では準備力や顧客理解の姿勢を見る必要があります。
事務職で活躍している人が「ミスを防ぐためにチェック方法を自分で工夫している」なら、正確性や改善意識を確認する質問が必要です。
ミスマッチを採用段階で防ぐ方法は『早期離職を採用段階で防ぐには?人事責任者が見るべきミスマッチの原因』で詳しく解説しています。
人事評価項目を採用面接に落とし込む
人事評価で見ている項目を、そのまま採用面接で見るのではありません。
採用時に確認できる形に変える必要があります。
| 人事評価項目 | 採用時に見るポイント |
|---|---|
| 成果達成 | 過去に目標へどう向き合ったか |
| 改善行動 | 課題に気づき、工夫した経験があるか |
| チーム貢献 | 周囲と協力して仕事を進めた経験があるか |
| 顧客対応 | 相手の状況に合わせて対応した経験があるか |
| 正確性 | ミス防止のために工夫しているか |
| 学習姿勢 | 未経験分野をどう覚えてきたか |
たとえば「主体性」を見たいなら、「あなたは主体的ですか」と聞いても意味がありません。
「前職で、自分から改善提案した経験はありますか」
「指示を待たずに動いた経験はありますか」
「分からないことがあった時、どう調べていましたか」
このように、過去の行動で確認します。
Google re:Workでは、構造化された面接や成功基準を作ることが、一貫した評価や意思決定に役立つとされています。採用基準を人事評価とつなげるには、評価したい行動を面接で確認できる質問に変換することが重要です。
面接官の評価基準の整え方は『面接官によって評価がブレる原因|人事責任者が整えるべき評価基準』で詳しく解説しています。
採用基準は職種ごとに変える
採用基準を全職種共通にしすぎると、実務に合わなくなります。
営業職に必要な行動。
事務職に必要な行動。
介護職に必要な行動。
店長候補に必要な行動。
エンジニアに必要な行動。
それぞれ違います。
もちろん、会社共通の価値観や姿勢はあってよいです。
ただし、職種ごとの成功条件を分ける必要があります。
会社共通の基準。
職種別の基準。
ポジション別の基準。
この3層で考えると整理しやすくなります。
採用後に振り返る
採用基準は、一度作って終わりではありません。
入社後に振り返る必要があります。
面接時の評価は合っていたか。
高評価だった人は実際に活躍しているか。
懸念点は入社後に問題になったか。
見落としていた要素はなかったか。
早期離職した人はどこでズレていたか。
ここを見直すことで、採用基準は改善されます。
中小企業白書2025では、人材不足の状況下で人材確保や定着率向上が重要なテーマとして扱われています。採用と入社後の定着を分けて考えるのではなく、入社後活躍までつなげて設計する視点が必要です。
定着まで考える採用設計は『採用成功は入社では終わらない|定着まで考える採用設計』で詳しく解説しています。
「採用戦略・ブランディング」だけでなく、採用活動全体を見直したい場合は 採用設計・基盤構築支援 をご覧ください。
まとめ

人事評価と採用基準は、本来つながっているべきものです。
入社後に評価される行動と、採用時に見ているポイントがズレていると、採用ミスマッチが起きやすくなります。
採用基準を作るときは、活躍している社員の共通点を整理する。
人事評価項目を、面接で確認できる質問に変える。
職種ごとに基準を分ける。
入社後に振り返り、基準を更新する。
この流れができると、採用は「印象で選ぶもの」から「入社後活躍を見据えて判断するもの」に変わります。
採用基準が曖昧な企業様は、人事評価表や活躍社員の特徴を見直してみてください。そこに、採用で本当に見るべきポイントが隠れています。
