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採用活動が人事だけの仕事になっている会社では、途中で必ず無理が出ます。
求人原稿は人事が作る。
媒体選定も人事が決める。
応募者対応も人事。
面接日程調整も人事。
現場には面接直前に履歴書を渡すだけ。
入社後は現場任せ。
このような流れだと、採用のどこかでズレが起きます。
人事は求人を出して応募を集めているのに、現場からは「求めている人と違う」と言われる。現場は忙しいから面接に協力できない。内定を出しても、入社後の受け入れが整っていない。
採用は、人事だけでは完結しません。
特に中小企業では、人事担当者が少人数、あるいは兼任で採用を回していることも多いです。だからこそ、現場を巻き込んだ採用の仕組みが必要になります。
現場巻き込み型の採用とは
現場巻き込み型の採用とは、人事だけで採用活動を進めるのではなく、現場責任者や実際に一緒に働く社員も採用プロセスに関わる採用の進め方です。
ただし、現場に丸投げするという意味ではありません。
現場には現場の役割があります。
人事には人事の役割があります。
経営層には経営層の役割があります。
この役割分担を明確にすることが、現場巻き込み型採用のポイントです。
採用市場では求職者側も企業を見ています。Google re:Workでも、面接の場では応募者が企業から評価されるだけでなく、応募者も企業を評価していると説明されています。現場責任者や面接官の対応は、候補者体験に大きく関わります。
人事だけで抱え込むと起きる問題
人事だけで採用活動を抱えると、次のような問題が起きます。
| 起きる問題 | 内容 |
|---|---|
| 求人原稿が現場とズレる | 実際の仕事内容や大変さが反映されない |
| 採用ターゲットが曖昧になる | 現場が求める人物像とズレる |
| 面接の魅力づけが弱い | 仕事内容のリアルを伝えきれない |
| 合否判断が遅くなる | 現場確認に時間がかかる |
| 入社後ミスマッチが起きる | 受け入れ体制が整っていない |
| 人事が疲弊する | 応募対応から現場調整まで抱えすぎる |
人事がどれだけ頑張っても、現場の協力がなければ採用活動は前に進みにくくなります。
特に、仕事内容や教育体制、活躍人材の特徴は、現場が一番知っています。その情報を求人や面接に反映できるかどうかで、採用成果は変わります。
現場に巻き込むべきタイミング
現場を巻き込むタイミングは、面接だけではありません。
求人を出す前から関わってもらうべきです。
| 採用工程 | 現場に協力してもらうこと |
|---|---|
| 採用計画 | いつまでに何人必要か確認する |
| 要件定義 | 必須条件・歓迎条件を整理する |
| 求人作成 | 仕事内容、1日の流れ、大変な点を共有する |
| 写真・取材 | 職場写真、社員コメントを用意する |
| 面接前 | 評価項目と質問内容を合わせる |
| 面接 | 仕事内容のリアルを伝える |
| 内定後 | 入社後の役割や期待値を伝える |
| 入社後 | 教育担当・受け入れ体制を整える |
現場巻き込みは、面接に出てもらうことだけではありません。
求人の材料を出してもらうことも、採用基準をそろえることも、入社後に育てる体制を作ることも含まれます。
現場を巻き込むときの注意点
現場を巻き込むときに注意したいのは、「採用に協力してください」と丸投げしないことです。
現場は日々の業務で忙しいです。
急に「求人原稿を確認してください」「面接に出てください」と言われても、負担に感じることがあります。
大切なのは、現場に何をしてほしいのかを具体的にすることです。
たとえば、
求人原稿を全部見てください、ではなく「仕事内容の部分だけ確認してください」。
面接で自由に聞いてください、ではなく「この3項目だけ確認してください」。
社員インタビューをお願いします、ではなく「入社理由と仕事の大変な点だけ教えてください」。
このように依頼を小さくすると、現場も協力しやすくなります。
人事が用意すべきもの
現場を巻き込むには、人事側が準備をする必要があります。
採用要件のたたき台。
求人原稿のたたき台。
面接質問リスト。
評価シート。
面接前の確認メモ。
応募者情報の要約。
内定後フォローの流れ。
現場にゼロから考えてもらうのではなく、人事が型を作り、現場に確認してもらう形が現実的です。
厚生労働省は、公正な採用選考のために、社内体制の整備、マニュアルやガイドラインによる担当者への周知、採用選考の方法や基準の点検・修正が重要だと示しています。現場を巻き込む場合も、各担当者が同じ考え方で採用に関われる仕組みが必要です。
現場巻き込み型採用のメリット
現場を巻き込むと、採用活動には次のようなメリットがあります。
求人原稿が具体的になる。
求職者に仕事内容のリアルを伝えられる。
面接での見極め精度が上がる。
候補者への魅力づけがしやすくなる。
内定後の期待値調整がしやすくなる。
入社後の受け入れがスムーズになる。
早期離職の原因を採用段階で減らしやすくなる。
現場の協力がある会社は、採用が「人事の仕事」ではなく「会社全体の仕事」になります。
まとめ

現場巻き込み型の採用とは、人事だけで採用活動を抱え込まず、現場責任者や社員と役割分担しながら採用を進める方法です。
求人作成、採用要件、面接、魅力づけ、内定後フォロー、入社後の受け入れまで、現場が関わるべき場面は多くあります。
ただし、現場に丸投げしてはいけません。
人事が採用の型を作り、現場には必要な情報を出してもらう。
面接では評価項目をそろえる。
入社後は教育担当や受け入れ体制を決める。
この流れを作ることで、採用活動は属人化しにくくなります。
人事だけで採用を抱え込んでいる企業様は、まず求人作成前の現場ヒアリングから始めてみてください。現場の言葉が入るだけで、求人も面接も一段具体的になります。
